第79章 大公開告白の裏側で
アカデミー時代は、本当に一度もキリの笑顔が見られずに終わってしまったので、まさかここでそれが見ることが出来るとは思わず、ひどく感慨深い。
そして、その様子を見守っていてしばらく。
イルカにはさらに、驚かされる出来事が待っていた。
全員揃って、時間もいい時間になった頃だ。
さて、今から説明を始めようかと。綱手から押し付けられて、本日の代表になっていたカカシが、みんなに声をかけようと右手を上げたその時。
【俺が好きなのはお前だって言ってんだよ!!!!!】
大音量で響いたその声。
イルカ. カカシ「「!!」」
その声の主は、あのシカマルで。
アカデミーでは子どもながらに要領が意味がわからないほどに良くて、しかしやる気が見えず、いつも気だるげに、上手くやり過ごすことに全力を費やしていた生徒だ。
落ち着いていて、大人顔負けな精神をすでに持ち合わせていたシカマルが、こんなにも感情的に声を荒げるなんて、そんな姿を見るのも初めてで、イルカは呆然とする。
その時、高速で上げていた右手を降ろしたカカシに、イルカはハッとして我に返った。
イルカ「こ、こらこらお前たち。今から大事な話が~~っ!?」
「私情は後にしなさい」と、たしなめようとした時、カカシによって後ろから羽交い締めにされて、手で口を塞がれる。
イルカ(カカシさん!?)
余ったほうの手で、口もとに人差し指を立てるカカシは、にこりと目を細めた。
カカシ「しーっ、ここは見守りましょう」