第78章 強行突破
そして、そのナルトに続いて、余計なことに残る同期たちも乗っかってしまった。
ぱちぱちぱちと、それは人から人へ伝達して、シカマルは拍手喝采の中ひとりその中心で立ち尽くす。
……キリが、逃げてくれて助かったとこの時ばかりは心から思った。
奴らはとどめを刺しに来ている。
羞恥心で、人は死ねると思った。
同期のいのやサクラはよく言った、そして羨ましいと褒め称え。
ヒナタも感動した様子で称賛する。
そして意外と常識人であるキバが、この拍手展開はいいのかと苦い顔をしていたが、シノが何故いけないのか喜ばしい事だろうと、要らない助言をしたせいで、納得しかねながらも、それに参加してしまった。
その視界の隅っこで、ふんっと高圧的に少し顎は上げてはいるが、まあよく頑張ったと言ってやろうか。と、そんな素直じゃない拍手を送るネジの姿が見えた。
まったく余計なお世話だが、お前実は悪い奴じゃなかったんだな。なんて、そんな事を思った。
アホらしいと、参加しないサスケが今は好感度がだだ上がりだ。
今までいけ好かない野郎だなんて思っていて、申し訳ない。
そしてこの中で、シカマルのためを想って、何もしないチョウジが、唯一の味方だった。
今となっては、特別上忍や中忍勢もそれに参加してしまい、何やらここまでいくと、一周回ってもうどうとでもしてくれと、そんな感情になる。
シカ(あー、もういいわめんどくせぇ)
眉間のあたりを手で押さえて、くつくつと笑っているアスマに、今度の修業中、絶対に顔面に一発入れることだけ心に誓って、シカマルはこの状況を放棄した。