第78章 強行突破
シカ「あー、くそっ」
今まで言わなかったのは、タイミングや色々考えていた事があったからで、どう間違ってもこんな大公開告白をするためではない。
シカ「だせぇ」
伝えるにしても、もっとこう時と場合を考えろと言う話だ。
もっと雰囲気があって、スマートに行うのが理想だったのだが、どうしてこうなった。
はぁ、と大きなため息をつけば、ぱちぱちと手を叩く音が聞こえる。
アスマ「見応、いや男らしくて良かったぞ」
完全に小馬鹿にして、見応えがあったと言おうとしていたアスマにシカマルは不機嫌そうに目を細める。
シカ「アスマふざけーー」
ふざけるなと、そう言おうとした瞬間。
大きな拍手が送られた。
シカ「………」
その主を見ると、気恥ずかしさを越え、色々な思いを馳せて感動したらしいイルカが涙ながらに拍手をしていて、シカマルは口をつぐんだ。
さらには、それに同意したガイとリーが、ナイスガッツだったと手を叩き。
カカシと紅、シカク、綱手が面白おかしくそれに便乗する。
ナルト「シカマルー!」
すげーかっこ良かったと、笑顔でぶんぶんと手を振ったナルトが、大きくその両手を開いた。
シカ(……おいナルト、まさか)
その手を、これからお前は一体どうするつもりだと、成り行きを見守っていれば、案の定、その手は合わさって拍手へと変わる。
ナルトは、シカマルを羞恥で殺すつもりだろうか。
そんな風に考えていれば、視界に酷く目障りなものが目に入る。
アスマ「ぶはっ、くっくっく……っ」
シカ「……」
拍手の第一人者となったアスマは、下を向いて、たまらない様子で体を震わせている。