第78章 強行突破
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そうして、現在。
共に広場を目指して歩くキリに、シカマルはちらりと視線を向ける。
今日は近くで行われる予定の、他里合同任務の説明のために、下忍とその担当上忍が広場に集められている。
そして、キリとシカマルは、今朝一緒に軽く修業をした後で。
今は共に広場を目指しているのだが。
シカ「なら、再来週の夕方焼肉屋で待ち合わせでいいか」
キリ「ええ、大丈夫」
シカ「チョウジといのにもそう伝えとく」
キリ「お願いするわ」
シカ「おう」
また新しく、嬉しい約束が、キリとの間に交わされる。
ギクシャクした空気になった事はあるが、もともとキリとシカマルの仲は良い方ではあっただろう。
それが、今。
キリとの距離がより縮まって、前よりもずっと、近くに感じられる事が嬉しい。
キリ「広場、もうすぐね」
シカ「おう。こんな風に全員が揃うの、アカデミーの頃以来じゃねぇか?」
そう言われればそうかと、キリはそれを懐かしむように返答する。
そんなキリの隣で、この時間がもう少しで終わってしまう事を惜しむ自分がいた。
シカ(あー、くそ……)
この間キリと遊んだ日も強く思ったが、なんだってキリと共に過ごす時間は、こんなにも早く過ぎてしまうのだろうか。
広場がもう少し遠ければ良かったのになんて、馬鹿なことを思いながら、シカマルはほんの少し歩調を緩めて歩いた。