第78章 強行突破
第78話 強行突破
広場へ足を運ぶキリとシカマルの会話は、途切れる事なく続いていた。
シカ「そんでよ、チョウジといのもテンション上がり過ぎだっての」
キリ「楽しそうでいいわね」
ついこの間、猪鹿蝶で焼肉に行った時の話をしていれば、キリもそれを楽しそうに聞いてくれる。
シカ「こっちはついてけねぇよ」
キリ「でも、あなたも楽しかったんでしょう?」
そう問われて、シカマルは一瞬言葉を詰まらせた後に、ぼそりと返答する。
シカ「……まぁ、そりゃそうだけどよ」
そんなぶっきらぼうなシカマルの物言いに、キリがふふっと笑い声をもらした。
シカ「何笑ってんだよ」
キリ「いえ、笑ってないわ」
くすくすと肩を揺らしながら、そんな事を言うキリに、シカマルはわざとむっとした表情を浮かべてみせる。
シカ「….…笑ってんじゃねぇか」
キリ「ごめんなさい」
そう言って笑顔をみせるキリに、シカマルもついつられて、くつくつと笑う。
キリ「あなた達は本当に仲が良くて素敵ね」
シカ「まあ、生まれた時からの付き合いだからな」
家柄的にも、深い縁があるチョウジといのとはもう物心つく前から近くにいた幼馴染みで、切っても切れない関係だ。
シカ「また近々行く事になってんだけどよ。お前も来ねぇか?」
キリ「私?」
シカ「おう。チョウジもいのもキリ連れて来いってうるせぇ」
そう言えば、キリはまた小さく笑い声を上げた。