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ささめごと -ながい夢- 【NARUTO】

第74章 失くしたもの






第74話 失くしたもの


帰路の途中で目覚めたキリは、自らの足で、ネジと共に木ノ葉隠れへ生還を遂げた。


先に帰還したヒアシとシカクは、おそらく今は集中治療室にいるだろうと、道中でネジから聞いた。

里に戻ったキリも、急いで本部へと駆け付ける。



キリ「ヒアシさん!!」

そこには、治療室の前で佇み、じっとシカクの帰りを待つヒアシの姿があった。


ヒアシ「!」

ヒアシ(キリ……無事だったか)


息を切らして走り寄るキリの姿に、ヒアシの二つあった懸念の内、一つが解消される。


キリ「シカクさんは……!!」


酷く興奮状態のキリを、落ち着かせるように努めながら、ヒアシはその後の詳細を伝えていく。


里へ着いた時、シカクの息があったことを告げれば、キリは安堵したように目を丸くする。


ヒアシ「だが、危険な状態には変わりはない。今は、綱手殿が直々に治療を行っている」


キリ「火影様が……」

綱手が診ているのならば、もうキリに出来ることは何もない。


祈るように、集中治療室を見つめるキリに、一人の医療忍者が近付いた。


『キリさんですね、綱手様より治療を行うように言付けられています。こちらへ』


キリ「!」


その言葉を、キリは首を振って拒否する。


キリ「私はここに居ます」

『いけません。その肩の出血具合だけを見ても、重傷を負っているのがわかります』


キリ「シカクさんが、こんなに大変な状態で離れるなんて出来ません!」

『気持ちはわかりますが、治療が先です』


そう言って、医療忍者がキリに伸ばした手を、ヒアシが制止する。


『!』


ヒアシ「汲んでやってくれ」


ぐっとキリを自分の後ろへと下げたヒアシに、医療忍者は困惑の意を示した。


『ですが……』


ヒアシ「このまま無理にキリを連れていっても、気が気ではないだろう。頼む」


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