第2章 木ノ葉での生活
火影も先ほど話を聞いたはずだが、何故こうも簡単に話が進むのだろう。
樹の里では皆が呆然としていたが。もしかして木ノ葉の人達はこういうものなのか。
『い、いえ、しかし…そこまでしてもらうわけには…』
それに住居だけではなく、生活費まで支給するという。
さすがに申し訳が立たない。こんな風に里を出てきた私を置いてくれるだけでも、有難い話なのだ。
火影「良い。先ほどお前さんの今後をどうするか話ていたんじゃが、アカデミーへ入学してもらうことになった。ちょうどお前さんと同じ年の生徒もおるしの。あと3ヶ月強で卒業になるが、お前さんは木の葉の忍としてこれから学び、生活をしてもらう」
気になるのなら、費用云々は忍になってから返してくれれば良いと言う火影。困った私はちらりとカカシに視線を送る。
すると、大丈夫大丈夫と頷くカカシ。
完全に状況についていけていないが、とりあえず今はこの話を受ける事になった。
火影室を出れば、良かった良かったと言うカカシに、ハヤテがやれやれとため息をついた。
カカシ「明日からアカデミーに通ってもらう事になるから、今日はゆっくりしなよ」
ハヤテ「……ゴホッ、貴女も急な事で大変でしょうが頑張って下さいね。ゴホゴホッ」
その後、ハヤテは仕事があるとどこかへ行き、カカシが住居へと案内してくれた。
1人には充分過ぎる広さ。綺麗な部屋を見て、さらに申し訳なさが込み上げる。
そう眉間に皺をよせた私に気付いたカカシは笑う。
空っぽの部屋へ、足を踏み入れた。
仲間も、両親ももういない。
施設生活だったため、1人で生活をするというのは、思えば生まれて初めてだった。
あれだけの同郷たちを殺した私が、こんな風にのうのうと生きていていいのだろうか。
カカシ「大丈夫」
その言葉に、見透かされたような気がしてドキリとする。
カカシ「キリ。木の葉はいいところだよ。ま、そんな固くならないで楽に頑張んなさい」
何かあったら言っておいでと、カカシは部屋を出ていった。
* * *
ハヤテ「あの子、危ういですね」
カカシ「なんとか、生きてくれたらいいんだけどねー」
ハヤテ「ですね。樹の里では、本人も死を受け入れているように見えました」
カカシ(若いうちからそんな悲しい目しないでちょーだいよ)