第71章 真っ向勝負
第71話 真っ向勝負
キリたちが敵の包囲網を抜けて、数時間後。
シカク(これ以上は無理だな)
シカク「キリ」
木ノ葉へと駆け続ていた二人は、その場で立ち止まる。
一番遠くにいたはずの敵の近付くスピードが、異常なほど速い。
口寄せか、忍術なのかはわからないが、おそらく何かしらの移動手段を持っているのだろう。
このまま進めば、少し木ノ葉までの距離は稼げるが、いかんせんこの先は地形が悪い。
不利な地形で多数と戦うより、この場で地の利を活かして迎え撃つ方が良いだろう。
シカク(……キリだけでも、どうにかならねぇもんか)
ギリッと歯を強く噛みしめるが、最後尾にいた敵は、どうやらその移動手段を合流した仲間にも分け与えているようで。
次々と、追うスピードを速めている敵が増加している。
これでは、シカク一人で全ての敵を足止めするのは不可能だ。キリだけを先に逃すわけにはいかない。
目の届かないところで、キリ一人に応戦させるよりは、自分と共に戦ってくれた方がフォローには入れる。
シカク(……が、フォローに入ったところで)
最初の読み通り、敵の数は総勢21名。
内4名は先ほど戦闘不能となったため、残すところは後17名。
対するこちらはシカクとキリの二人。
援軍の到着までは、あと1日と半分といったところか。
シカク(地の利はあるっつっても、かなり厳しいな)
キリを逃す方法を探すが、そのどれも成功する可能性が低くて話にならない。
シカクは打破できない状況に、内心苛立ちを隠せずにいた。
シカク(くそっ、何とかしてやりてぇが……)