第68章 雨傘
シカ「明後日の任務が終われば2日間は休みだからよ。時間はキリに合わせられるぜ」
キリ「……ごめんなさい。明後日からは任務に出てるわ」
シカクと共に隣町まで出ていると、キリは告げる。
シカ「あーなら、来週の初めなら帰りも早ぇんだが」
キリ「……ごめんなさい」
その時にも、任務が入っているとキリは首を振る。
シカ「……じゃ、それ以降は」
キリ「それ以降はまだわからないわ。あなたもでしょう」
シカ「……だな」
おい、一体誰だ。
なにを持って、こんなにもすれ違うような任務を組んでいるのだ。
誰が自分を呪っているのだろうか。
全身全霊をかけて懇切丁寧な謝罪を行うので、どうか直ちにやめて頂きたい。
シカ「……飯、ちゃんと食ってんのか?」
キリ「ええ」
シカ「夜はしっかり寝れてるか?」
キリ「ええ」
シカ「具合とか悪くなったら、すぐ家来いよ」
キリ「ええ、ありがとう」
シカ「あーそうだ。一応なんかあった時のために、うちの薬持って行っとけよ」
「あと母ちゃんの飯も小分けにしてもらって、いつでも食べれるようにしてもらえ」と、まるで口煩い母親のようなことを言っていれば。
くすくすと、キリの笑い声が聞こえた。
キリ「心配しなくても大丈夫。ちゃんとやれてるわ」
ふっと笑みを浮かべたキリに、シカマルは視線を逸らして、ぽりぽりと頬をかいた。
シカ「まあ、だったら。いいんだけどよ」
シカ(……なら、良かった)