第67章 離れた距離
カカシ「こんな夜更けに、迷惑でしょーよ」
そこにはしゃがみ込んで、両手で頬杖をつきながら、じっと二人のやり取りを見つめるカカシの姿があった。
『カカシさん』
シカ「カカシ先生!」
二人の視線を浴びて、ぽりぽりと頬をかいたカカシは、これまでの二人の経緯を説明される。
カカシ(あぁーなるほど、ね)
いやはや、シカマルも可哀想に。
そして、カカシに激しく原因がある手前、カカシの胸もずきずきと罪悪感に苛まれる。
カカシ「ちょっと」
「こっちこっち」と、暗部を呼び寄せたカカシは、ぼそぼそと暗部に何かを耳打ちする。
『え、じゃあ彼は~~~、~~?』
カカシ「そうそう。そういうこと」
カカシの話はすぐに終わったようで、二人はシカマルのもとへと戻ってくる。
『いやいや、悪かったな!』
バッと右手をあげて、先ほどとは打って変わって明るい口調の暗部。
シカ「は?」
『じゃあ、カカシさん俺は行きますね』
カカシ「はいはい」
「頑張ってー」とカカシが手を振れば、暗部はくるりと振り返る。
『シカマルくん、頑張れよ!!』
「グッドラック!」と、親指を立てて去っていく暗部の仮面の下は、間違いなく爽やかな笑顔だっただろう。
急激に距離が縮まり、名前呼びで馴れ馴れしくなった暗部に、シカマルは眉間のしわを増やした。
シカ「カカシ先生、一体何言ったんすか?」
カカシ「ん?」
目を細めて、カカシはくるりとこちらを振り向いた。