第66章 別々の道
シカク「どういうことだ?」
カカシ「いえね、このままシカマルと結ばれて、キリは奈良家の人間になるんだと思ってました」
シカク「ああ、俺もそうなりゃ一番嬉しいんだがな。それでもまあ、色んな障害があるにせよ、最終的に二人がくっつかねぇってんなら……キリもシカマルも、その相手は別にいるってことだろ」
それはそれで、仕方のない事だ。それが悪いというわけでもないと、語るシカク。
カカシはやはり、シカクは人格者であるのだと再認識する。
カカシ(さすが師匠)
キリを。シカマルの恋心を。
当初から見守っていたため、私情を挟みまくって、二人にどうにか結ばれて欲しいと思うカカシとは比べ物にならない。
カカシ(俺も見習わないとね)
だから余計なことをして、今回のように結果的に二人の妨げになるような惨状が起きてしまうのだ。
シカク「それに、シカマルとキリが結ばれなかったとしても。キリは奈良家の人間にはなるしな」
うんうんと、頷いてシカクの高説を聞いていたカカシは、小首を傾げた。
カカシ「……はい?」
シカク「あ?」
カカシ(いや、あ? じゃなくてですね……)
一体、どういうことだ。
カカシ「結婚しなくても、奈良家の人間になるというのは?」
シカク「あーだからよ、シカマルがキリを捕まえられなかったとしてもだな。キリを養子にして、婿を取ればいいだろうが」
カカシ「ははっなるほど。確かに、それはいい考えかもしれませんね」
そう言って笑ってみれば。
「ああそのつもりだ」と、即座にシカクから返答がきて、カカシは悟る。
これは、 決して冗談などではないと。
なんだかんだ言いながらも、やはりキリを手放す気など、微塵もないではないか。
カカシ(この人は本気だ)