第62章 名コンビ

ボソリとそう呟いた後、ナルトはさらに、じと目を強めて、口を開いた。


ナルト「偉そうに言ってっけど、カカシ先生ってば、おもしれぇ土ダルマになってだだけだってばよ！！」

「少しはシカクのおっちゃんを見習え」と、糾弾するナルトに、カカシはチラリとシカク達の方へ視線を向ける。


カカシ(一応、ナルト達が正気になる前に三人は倒してるんだけどね……)


内の二人は、シカクと共同ではあるが。

おそらく、敵の中でカカシが倒した三人と、最後まで残っていた敵一人が脅威となる力を持っていた。


だがしかし。そうだとしても担当上忍として部下を残し、敵に捕縛されてしまうなどあってはならない事なので、言い返す事も出来ない。


カカシ「見習う、ねぇ……」


微笑ましく、ナチュラルにいちゃついているシカク達三人を見て、カカシは小さくこぼした。


サクラ「そうよね！ カカシ先生も人のこと言えないわよ！」

ナルト「そうだってばよ！」

うんうんと頷くナルトとサクラ。


サクラ「大体カカシ先生って～～」

ナルト「カカシ先生、結構いい加減なとこが～～」


わやわやと文句を垂れる７班の視線の先で、かような会話が繰り広げられる。


シカク「任せっきりになっちまって、本当に悪かった」


キリ「そんな！ もとは私が幻術にかかってしまったのが……」

シカ「それに俺たち庇って、術にかかったんじゃねぇか」


そう言っても、申し訳なさそうな表情を解かないシカクに、キリとシカマルは一度顔を見合わせてから、ふわりと笑顔を見せる。



キリ「シカクさん、私たちも戦えます」

シカ「まあ、もうちっと俺たちにも任せてくれていいぜ」


気にしないで下さい。
めんどくせぇけどよ。

そんな風に言葉は違えども、シカクを気遣う二人の優しさが心強くて、シカクは胸が温かくなるのを感じた。


シカク(……言うようになったじゃねーか)