第62章 名コンビ
キリ「それよりも、シカクさんは大丈夫ですか」
シカ「そうだ、チャクラかなりとられたんじゃねぇのか?」
シカク「当たり前だ。こんなもんじゃビクともしねぇよ、ありがとな」
シカ「ん。ならいいけどよ」
キリ「それなら良かったです」
…………………………
ナルト.サクラ.カカシ「…………」
思いやり溢れるキリ達のやり取りを見て、ぐだぐだと不満を並べ立てていたナルト達が、口を閉ざした。
カカシ「見習う………ねぇ…」
口達者に、文句をつけていたナルト達は何処へやら。
それぞれ、何か思うところがあったのか、ばつの悪そうな顔で視線を逸らした。
青い。
隣の芝生は青く見えると言うが、事実、青い。
隣の芝生は確実に潤い、そして生い茂っている。
7班一同「………」
「ごほんっ」「んん゛」っと、乾いた咳払いを、誰からともなく落としていく。
この日を境に、少し班員に優しくなった7班であった。
…………………………
カカシ「さて、雷影様に報告して帰還しますか」
シカク「そうだな」
カカシ「ほら、お前たちも。拘束はしているが、目を覚ます可能性はある。最後まで気をぬくな」
そう言って、カカシはダメージ量が多い敵からナルト達へと振り分けていく。
サクラ「えー嫌よ! 女の子にまで背負わせ……」
シカ「キリ、一人貸せよ」
サクラ「!」
サクラが聞こえて来た声の方を見れば、キリが手際よく三人の敵を拘束しているのが見えた。
キリ「問題ないわ。あなたはゆっくりしてて」
シカ「だからって三人も背負えねぇだろ」
キリ「大丈夫。背負わない」
シカ「は?」
キュッと拘束を終えたキリが、よしっと、敵の足から伸びる3本の捕縛用ロープを掴む。
キリ「シカクさん、終わりました」
シカ「ちょっ、おまっ」
そのまま、ズルズルと地面を引きずって、敵三人をシカクのもとへと連れて行くキリに、シカマルは目を丸くさせた。