第62章 名コンビ
シカク「!」
シカ「ーー、ーー?」
キリ「ーーー。ーー」
いまだに小声で、 絶対いけたと残念がる二人の会話が聞こえてきて、シカクは「あいつらまだ言ってやがる」と苦笑しながら二人のもとへと歩み寄る。
ゴンッ、コツン
シカク「まだまだ俺にゃ勝てねぇよ」
頭上に落とされたシカクの拳に、シカマルとキリは頭に手を当てる。
キリ「はい、すみません」
シカ「ーーってぇ」
シカ(おい俺とキリ、音が違くねぇか)
キリ.シカ「ーーっ!?」
突如、ぎゅっと抱きしめられたキリとシカマルは、二人してシカクの腕の中に収まる。
キリ「シカクさん?」
シカ「親父?」
シカク「……二人ともよく頑張った」
キリ.シカ「!」
そんな優しい声色と共に、シカクは二人を抱きしめながら、わしゃわしゃと頭を撫でる。
シカク「今回はお前達に助けられた。良いコンビネーションだったな」
「さすがだ」と笑って、二人の顔を見れば、キリは少し俯いて、シカマルは少し視線を横に逸らした。
キリ「っ……はい」
シカ「あー……まぁ、上手くいって良かったっつーか……」
ぼそぼそと小さな声で、そう言った二人の照れ隠し。
不器用なそれが愛おしく感じて、シカクにふっと笑みがこぼれる。
…………………………
シカク達のやり取りを見ていたナルトとサクラから、カカシにちくちくと視線が刺さる。
ナルト(カカシ先生よりすっげー優しいってばよ)
サクラ(シカク先生って素敵な人なのね。カカシ先生と違って)
カカシ(……まーたなんか失礼な事考えてるな)
スタスタと、カカシもナルト達の方へと近付いていく。