第62章 名コンビ
シカク「最近じゃ、たまにゾクッとするような手も出てくる」
カカシ「指導者として、冥利に尽きますね」
シカク「全くだ。相手をするにも手を抜けなくなってきたが、それも嬉しい悩みだな。まあ、お前んとこの生徒も面白いじゃねぇか」
そう言って、シカクは先の戦いを思い返す。
シカク「ナルトの最後の影分身は悪手だったが、敵もキリも完全に騙されてたからな。良い方に転がりゃあそこで勝負はついてたぜ」
カカシ「……今は、悪手の率が高過ぎて手を焼いてるところです。それが無い分、まだまだサスケに分がありますね」
発想力ではナルトが上回っているのだが、いかんせん空回りが多過ぎる。
そして一切のためらいがない分、やらかした時の代償が大きいのだ。
シカク「かかっ、今後に期待ってとこだな。それにしても、サクラの医療忍術は中々目を見張るもんがあるな」
カカシ「ですね。あれには俺も驚きました」
シカク「医療忍者がいるいないで、生存率はまるで変わるからな。重宝される。ちなみに、医療忍術はキリとシカマルはてんで駄目だ」
医療忍術は初歩以上の術になると、修業でどうにかなる部類のものではなく、先天的な能力が発揮される。
特にキリは医療忍術と相性が悪いのか、本人は至って真剣に取り組んでいるのだが、残念極まりない結果にしかならなかった。
そんなキリの姿が可笑しいというか微笑ましいというか、本当に悪意はなかったのだが。
シカマルとヨシノと共に笑って見ていたら、完全に拗ねてしまったキリが二度と医療忍術に手を出さなくなってしまったという一家総出で失態をおかした過去がある。