第62章 名コンビ
キリ「ちなみに、私は彼の役割は出来ないわ」
サスケ「!」
キリ「人のチャクラを自分のチャクラに混ぜて術を使うこと。私がやれば、それ一点に集中しないと出来なかった。動けない上に、視野も極端に狭まる」
とても戦闘中には使えないと、キリは続ける。
キリ「でも彼にはそれが可能で、加えて敵の動きを読んで、術を繰り出す事が出来る。発動場所やタイミングは、私じゃ敵わない」
シカ(……! そんな風に思ってたのかよ)
思わぬところで入ったキリの褒め言葉に、嬉しいやら恥ずかしいやらで、照れ隠しにシカマルも口を開いた。
シカ「あー、ごほんっ。……で、俺は俺でキリの役割は出来ねぇ」
まさかキリが敵わないと言ってくれるなんて思ってもいなくて、シカマルは緩みそうになる頬を押さえて、平常心を装った。
シカ「自分のチャクラが混ざってっからって、敵を感知して術を瞬時に強化するなんて俺には出来ねぇ。つーか、あの反応速度はバケモン級だ。正直、どれだけ修業したところで出来る気がしねぇ」
ふぃっと、視線を逸らしてふてぶてしい様を装ってはいるが、その口角はだらしなく緩んでいる。
サクラ(……嬉しいのね)
サスケ(……嬉しいんだな)
ナルト(シカマルわかりやすっ)
カカシ(シカマル、それ全然隠せてないから)
シカク「くっくっ……」
シカ「俺たちはたまたま長所と長所が重なったからこうなったけどよ、他と組んでもこう上手くハマらねぇだろうな」
下手に組むぐらいなら一人でやった方が全然いいだろうと、シカマルが言えば、ナルトとサスケはお互いに顔を合わせる。
ナルト(こいつとは絶対無理だってばよ)
サスケ(こいつと組んで良い方に転がる気がしねぇ)
サクラ(……この二人に合わせれる気がしないわ)
新技を7班全員が秒で諦めた瞬間だった。