第62章 名コンビ
術を避けた時の舌打ちも、そういうことだったのだろう。
シカク(知らずにやられてたら、確かにやばかったかもな)
全く恐ろしい企みをしてくれるものだと、頬をかけば、こちらを見ていたシカマルと視線が交じる。
シカ「キリ、見ろよあの顔。ぜってーいい線いってたぜ」
キリ「……残念ね」
シカ「いい線どころか、捕まえれたんじゃねぇか」
キリ「発動のタイミングにもよるでしょうけど、可能性は大きいわ」
ぼそぼそとそんな事を話すシカマル達に、シカクは、こらこらと間に入る。
シカク「良い手なのは認めるが、まだまだお前らにやられるほど俺は甘くねぇぞ」
シカ.キリ「……」
シカマル達がじっとシカクを見つめた後、肩を落としてため息をついた。
シカク「な、なんだ」
シカ「あーこりゃ絶対いけたな」
キリ「ええ……残念……」
シカク「い、いけねぇっつってるだろうが」
シカ「悪いなキリ。せっかくあんだけ修業したのによ」
キリ「あの状況じゃ仕方ないわ。実戦で使った事はないけど、タイミングは完璧だった」
シカ「さんきゅ。まあ結果は上々だな」
少し照れたように笑うシカマルに、キリは微笑み返す。
キリ「ええ」
シカク「お、おい? いけねぇからな?」
二人の完全なスルーに、今度はシカクが肩を落とす番だった。