第62章 名コンビ
シカ「ったく、めんどくせぇな」
ビシッと指をさすナルトに、シカマルはため息をついて解説を始めた。
行ったり来たりを繰り返していたナルトの顔も、シカマルへと固定され、至極面倒そうにシカマルは口を開いた。
シカ「あー、だからよ。術を繰り出して、敵を捕まえるまでは俺。で、捕獲した瞬間、術の強度を上げて敵を完全に捕らえるのがキリってことだ」
「俺だけじゃ術が薄過ぎるからな」と、告げるシカマルに、ナルトの疑問符は更に増えることとなる。
ナルト「はぁ? どういう事だってばよ?」
サクラ「……ひとつの術を、二人で出してるってこと?」
サクラの言葉に、ぱちんと指を鳴らして、シカマルはそれを肯定する。
シカ「おーそういうこった。確かに俺だけじゃ敵は捕らえきれねぇ。んで、向こうもそう思ってるからな。それを逆に利用したってわけだ」
サスケ「そんな事が可能なのか…?」
シカ「俺らだって最初から出来たわけじゃねぇ。ま、特訓の成果ってやつだな」
「な」と、キリに視線を向ければ、キリもこくりと頷き返す。
じとーっとしたナルト達三人の怪訝な眼差しに、シカマルはハァッとため息をついた。
シカ「そんなに信じらねぇなら見てろ。キリ」
ちょいちょいとキリに手招きをすれば、キリは少し困ったようにシカマルを見つめる。
キリ「これ以上チャクラを使うのは良くないわ。安静にしないと」
シカ「あと1発ぐれぇ問題ねーよ。ん」
「そんなにチャクラを使うつもりもない」と言って手を差し出せば、キリは渋々といった様子でシカマルの手を取った。