第62章 名コンビ
ある程度、肩の痛みが和らいだところで、サクラは片手を別の場所に移動させて、二箇所同時に医療忍術を実施する。
カカシ.シカク「!」
カカシ(へぇ、サクラのやついつの間に……やっぱり医療忍術の才能は群を抜いてるね)
シカク(キリの話じゃ最近医療忍術をはじめたって聞いたが、たいしたもんだな)
サクラ「肩以外はそこまで大事じゃないみたいだけど……他に痛むところはある?」
シカ「いや、それよりも視界がぐらついてすげぇ気持ち悪ぃ。なんとかしてくれ」
サクラ「血を流し過ぎよ! 安静にしてるしかないわ」
シカ「だー、くそっさっきまでは平気だったんだけどよ」
あー、と目をつぶって頭を押さえるシカマルに、サクラはよくこんな傷で戦えたものだと呆れ顔を見せる。
カカシ「戦闘が終わって気が緩んだんでしょ。なくなった血は医療忍術じゃどうにも出来ないからね」
「しばらく大人しくしていれば、すぐに気分もマシになる」と言えば、シカマルはため息と共に頷いた。
サスケ「シカマル、お前最後の術はどうやった」
ナルト「あー! それ俺も思ったってばよ! シカマル! あんな事出来んならもっと早くやれってばよ!!」
シカ「あー、だからあれは俺じゃなくてキリの術だっての。俺が出来るなら言われなくても、とっくにやってんだろ」
ナルト「? キリの??」
ぱっとキリに視線を送れば、キリはふるふると首を振った。
キリ「私だけじゃないわ。あなたの術でもある」
ナルト「? シカマルの??」
再びナルトがシカマルに視線を戻せば、ひらひらと手を振ってシカマルはそれを否定する。
シカ「俺の術じゃ、向こうも言ってたように足止めにもならねぇよ。キリの力がでけぇ」
キリ「でもあなたが」
ナルト「だああああ!! 全っ然わかんねぇってばよ!! わかるように説明しろ!!」