第62章 名コンビ
攻撃を続けるキリの少し後方に下がったシカマルが、再び土遁の術を用いれば、術者の両足が土に覆われる。
『それは足止めにもならねぇっつっただろ』
瞬間に破壊されたそれは、さらさらと砂と化していく。
それでも、さらに土遁の術を続ければ、術者は鬱陶しそうに顔を歪めた。
まずはキリを無理やりにでも仕留めてしまおうと、術者がシカマルの土遁を相殺しようとした時だった。
『な……っ!?!?』
チャクラを込めても、崩壊どころか勢いを強める術に、術者は目を見開いた。
『な、何故だ!? こいつにこんな精度あるわけが無……』
シカ「悪いな。土遁は俺の専売じゃねぇ。もともとはキリの術だ」
そう言ったシカマルの勝利の笑みを最後に、術者の視界はキリの峰打ちによって、闇に包まれる。
ふと脱力した術者と同時に、シカク達を捕らえていた岩も崩れ落ちたのを見てから。
シカマルとキリも、術者にかけた土遁の術を解いていく。
シカ.キリ「はぁ……」
互いに顔を見合わせた二人は、微笑混じりに息をついた。
シカ「上手くいったな」
キリ「ええ」
シカ「っと」
多量の出血により、ぐらりと倒れかけたシカマルの体を、キリは支えてそのまま座らせる。
シカ「さんきゅ」
キリ「いえ」
サクラ「シカマル! 肩見せて」
ダッとシカマルのもとに、膝をついたサクラがシカマルの肩に両手を当てれば、じわりとそこからあたたかさを感じて、次第に痛みも和らいでいくのがわかる。
シカ「おー、前よりかなり精度上がってんな」
サクラ「私だって修業してるんだから、当然よ!」