第62章 名コンビ
第62話 名コンビ
キリ「あなたは下がっていて」
シカ「!」
キリ「その傷では戦えないでしょう。……私のミスで、ごめんなさい。ありがとう」
キリは、そう言って奥歯を噛みしめる。
幻術にかかるまでなら、まだ仕方ないと言えただろう。
だが、その後の失態は、どうしても言い訳出来ないぐらいに酷い。
キリ(……っ)
思い返しても、自分に腹が立つ。
敵との戦闘中に、ナルトの意表を突く攻撃に、呆気にとられて、油断したなど。
一体何年自分は忍として、生きていたのだと、自らを責め立てる。
ごめんで、とても済む話ではない。
キリの心情を悟ったシカマルは、肩を止血しながら、キリを宥める。
シカ「あれはナルトが悪いってことにしとこうぜ。つーか、実際そうだしな」
キリ「……死んでもおかしくなかった」
シカ「!」
キリ「その間に、私もあなたも。殺されていても、おかしくなかった」
冗談で、終わる話ではないのだ。
キリ「……今、私とあなたがやられると、必然的に捕縛されている皆の命もなくなる」
本当に感謝している、そして申し訳ないと告げれば、シカマルはにやりと口角を上げた。
シカ「っし。今までキリには借りだらけだったからな。これでちったぁ返せたか」
キリ「!」