第61章 相性最悪
敵の気絶を確認したシカマルは、ふーっと長い息をついて、呼吸を整える。
そんなシカマルの身体は傷だらけになっていて、キリは眉を下げた。
キリ「ごめんなさーー」
ナルト「キリー! 良かったってばよ!!」
キリ(………)
チラリとナルトを見れば、元気ハツラツとしたナルトの姿が飛び込んで来る。
ナルト「キリ! もう一回、もう一回これ壊してくれってばよ!」
今度こそ上手くやると、頼み込むナルトに、キリは間髪入れずに返答する。
キリ「断るわ」
ナルト「!!」
キリ「……仮に、これからあなただけしか助けられない状態になったとしても。私は解放しない」
「絶対に」と、そう告げて、キリは残る術者に視線を定める。
ナルト(す、すげーキレてるってばよ……)
そんなキリの対応に、シカマルは苦笑混じりに、新たなクナイを取って同じように敵に構える。
シカ「あー、キリ」
キリ「なに」
シカ「次にナルト助ける機会があっても、ほんとに放っとくか?」
ツーマンセルで組んでいる手前、キリの意思を確認すれば、もちろんだというように、キリは頷き返す。
キリ「彼は私じゃ対応出来ない」
あれは無理だと言い切ったキリに、シカマルは再び苦笑いを浮かべる。
シカ(キリにここまで言わせるっつーのも、すげぇよな)