第61章 相性最悪
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ドンドンと体へ不規則に伝わる衝撃に、キリの意識がゆるやかに戻される。
ふと目を開けて、目の前いっぱいに広がるそれが、シカマルの後ろ姿だと気付くのに、そう時間はかからなかった。
キリ(!!)
くっとシカマルの服を、敵から見えないように後ろから引っ張って、合図を送る。
シカ「!!」
木とシカマルに挟まれているキリは、ドッとシカマル越しに、敵の攻撃を感じる。
キリ(ずっと、こうやって……?)
自分のことを、守っていてくれたのだろうかと思えば、ぎゅっと胸が痛くなった。
キリ(ごめんなさい……っ)
そんな中で、シカマルのクナイが落とされ、敵は追撃を試みる。
猛攻に耐え切れず、シカマルのクナイは落下したように見せていたが。それは演技なのか本当なのか。
『避けたら、 君は助かるよ』
シカ「キリ、悪い……!!」
シカマルがバッとしゃがみこんで、開けたキリの視界に、迫り来る敵の姿が見える。
キリ「絶妙」
立ち上がると同時に、キリが掌打を繰り出せば、敵は目を見開いて体をのけぞらせる。
キリ「お願い」
シカ「おう」
シカマルが残る足を払えば、敵は背中から転倒する。
『待っ……!! がぁっ』
そのまま体制を整えたキリがトドメを刺せば、敵は意識を手放した。