第61章 相性最悪
シカ「キリ!! 起きろ!!」
シカマルが土遁の印を組み上げると、土が術者の足を捕らえる。
『なんだお前も土遁使いか』
すぐにその術を相殺した術者は、距離をとるために次々と繰り出すシカマルの術をかわしていく。
『術の速度は悪くないが……』
再び、術者の足を捕らえた土はまた、すぐに術者によって壊される。
『薄いな。これじゃ足止めにも使えねぇ』
シカ「くっ……はぁっ、はっ」
土遁の術を使用しながら、もう一人とは肉弾戦の続行。
チャクラも体力も削ぎ取られていくシカマルの呼吸が、みるみる内に荒くなる。
シカ「っ……、はぁ」
キリを庇って攻撃を避けないシカマルを見て、敵は攻撃を横ではなく、縦の手法に変更する。
避ければ必ずキリに攻撃が当たる。必然とシカマルの選択肢は耐えるか流すの二つしかなく、次第にダメージが蓄積されていく。
そして、そのひとつひとつを受けていたシカマルの後ろがついになくなった。
シカ(これ以上は下がれねぇ……!)
もうキリが、シカマルの真後ろにまで来ている。
ぐっと、足の指に力を入れて、敵の攻撃に堪えるが、それが出来たのもほんの数撃だった。
『限界、みたいだね』
ニッと口角を上げた敵のクナイが、シカマルの肩へと刺さる。
シカ「っ!!」
ぐりぐりと傷を抉るようにして、クナイを奥へ差し込む敵に、シカマルは顔を歪めた。
シカ「ぐぁぁっ」
ナルト「シカマル!!」
キンッ
『!!』
空いている敵の左手がキリに伸びたのを阻止すれば、敵は眉を寄せて、シカマルの肩にさらにクナイを食い込ませる。
『君、いい加減しつこいよ?』
シカ「うるせぇ、こっちも退けねぇんだよ」