第59章 敵の罠
正気に戻った三人が辺りを見渡した時、目に入ったそれ。真っ先に笑い声を上げたのは、ナルトだった。
ナルト「ぎゃっはっはっは!! カカシ先生! すっげーマヌケだってばよ!!」
まん丸の岩から生首状態になり、マヌケどころか愛嬌すらあるカカシの姿に爆笑しているナルト。
そんな部下の言動に、カカシはため息を落とす。
カカシ「お前ね……」
サクラ「馬鹿ナルト! そんな場合じゃないでしょ!?」
サスケ(くそ、身動きが取れねぇ……っ)
『俺はこいつら二人のチャクラを奪う。そこのガキ二匹はお前らがやれ』
カカシの岩に手をついた術者が、シカクの岩を自らの方へと移動させる。
ナルト「ぎゃっはっはっはっは!! それやべぇってばよ!!!」
地面の上をスライドするように移動していくシカクに、涙目になって笑い声を上げるナルト。
横並びになった岩ダルマ2つに、ナルトはひーひーと笑い続ける。
サクラ「やめなさいってナルト!」
サクラ(こっちまで笑いそうになるでしょうが! しゃーんなろー!)
サスケ「ふっ……」
ナルト「あ! サスケェ! サクラちゃん、サスケも今笑ったってばよ!!」
パッとサスケの方を見れば、目をつぶってうつ向いているサスケの姿。
サクラ「サ、サスケくんまで」
サクラ(やだちょっとやめてよ、頑張って耐えてるんだから!!)
シカ「くそ……ナルトのせいで締まらねぇ」
中々に危機的状況にあるはずなのだが、その空気をぶち壊すナルトに、シカマルの気も抜けてしまう。
いや、こんなことではいけない。
今、身動きが取れるのはキリとシカマルの二人だけなのだ。