第59章 敵の罠
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一方。
二人の忍を相手にしていたカカシの背に、敵のクナイが奥深くまで刺さる。
カカシ「!」
『っし、残念だったな……っ!?』
ボンッと煙をたてて消えたカカシの影分身。
直後、術者の前に現れたカカシは、その鳩尾に掌打を叩き込む。
『ぐっ……かはっ! っ…!』
ごろごろと転がる術者の印は解かれ、術者は絶え絶えになりながらも、仲間に指示を飛ばした。
『まずい……っ、次の術の発動を! ぐぁっ』
間髪入れずにカカシからトドメの攻撃をくらい、術者が倒れると同時に、カカシの身体が岩に包まれる。
カカシ「!!」
シカク「キリ、シカマル!!」
キリ.シカ「!」
ドンッとシカクに背中を押されると、キリとシカマルがいた場所には1メートルほどの岩が盛り上がる。
キリ「シカクさん!」
シカ「親父!!」
キリたちが体勢を立て直して、辺りを見た時には、ナルト、サスケ、サクラの身体は胸の辺りまで岩に覆われていて。
シカクとカカシへの術は今なお止まる事なく、ガラガラと集まる岩は密度を高めて、まん丸の球体をつくった。シカクとカカシの首から上だけが、球体から出ている状態となる。
ナルト「な、なんだってばよ!?」
サスケ「!!」
サクラ「きゃあっ!? サ、サスケくん!!」
術者の戦線離脱により、幻術が解けた三人は、それぞれ周囲を見回して状況を把握しようとする。