第59章 敵の罠
先ほどよりもずっと、速さが増したキリ達が、シカク達へと襲いかかる。
『どうする? やっぱり雲隠れに直接忍び込むのが確実じゃない?』
『他里の忍が来る方が稀だ。このままトラップを仕掛けて待つ方がリスクがない』
『でもまたトラップにかかるまで、何日も待つなんてやってらんねぇって』
シカク「!」
その会話の内容に、シカクはカカシに目配せをすると、カカシもそれにこくりと頷いて肯定する。
向こうにとっては、お呼びでないようだが、どうやらシカク達の任務の標的はこの忍達であるらしい。
キリ達が幻術にかかってしまったのはいただけないが、標的をわざわざ探す手間は省かれた。
カカシ(………)
敵の様子を伺えば、話しをしている中で唯一、印を組んだまま動かない男が一人。
そして、話しこそしているが、その男を護衛するかのように側にいる二人の忍。
その男が、キリたちに幻術をかけているとみて、間違いはないだろう。
カカシ(俺が術者を仕留めます)
シカク(俺も援護する。気を付けろ)
『『!!』』
カカシに斬り込んだキリの刀を、シカクが受けた瞬間、カカシは敵陣へと乗り込んだ。
『『!!』』
術者のそばにいた忍二人の足もとに、シカクの影が伸びて、身動きのとれぬ間に、カカシに秒殺される。
カカシ(さすがシカクさん)
そのままカカシが術者へと手を伸ばしたところで、もう一人の忍が間に入った。
『おいおい、何してんだ。油断し過ぎだろ』
キンッとカカシ達のクナイがぶつかり合った時、シカクの方でも変化があった。