第59章 敵の罠
カカシ「ま。まだまだ詰めは甘いけどね……っと!」
そこに間髪入れずに飛んできたクナイに、カカシはナルトの幻術を解く前に、その手を離す事となる。
カカシ(キリか、また絶妙なタイミングで……)
キリのクナイの後に、シカマルとサクラが特攻を試みる。
シカ.サクラ「!」
シカク「お前たちはこっちだ」
突然目の前に現れたシカクに、急停止を余儀なくされたシカマルとサクラ。その瞬間を逃さず、シカクは二人に手を伸ばした。
シカク「!」
そこに、やはりキリの援護射撃が飛んできて、シカクも解術を中断する。
その様子を見たカカシは、キリから先に対処するべきだと判断し、ナルトとサスケの間を抜けて、キリの方へと突き進む。
その時、キリが刀に手をかけたのが見えて、シカクは声を荒げた。
シカク「カカシ!! 下がれっ!」
カカシ「!」
上体を後ろへと反らしたカカシの目の前に、キリの刀の切っ先が通る。
ピッと小さく頬が切れて、カカシはそこから流れる血を拭った。
カカシ「……冗談でしょ。シカクさん、一体どんな育て方したらこうなるんですか?」
シカク「いやぁ、はっは。優秀だろう」
シカク.カカシ「!!」
突然、しかも至近距離に感じた敵の気配に、シカク達は顔を歪ませる。
シカク「ちっ、一体どこから湧いてきやがった」
『やだっ、木ノ葉隠れの忍じゃない』
『……だから僕はそう言っただろ』
『せっかくトラップにかかっても雲隠れの連中じゃなきゃ、何も意味ねぇじゃねぇか』
『運が悪過ぎた。まさか鎖国的な雲隠れに、他里の忍が来るなんてな』
ぞろぞろと現れた八人の忍たちは、シカク達の姿を見て、がっくりと肩を落とした。
カカシ「俺たちはお呼びじゃなかったみたいですね」
シカク「そうみたいだな」
『はあ……まあ、あんたらに恨みはないが、姿を見られたからには死んでもらう』
シカク.カカシ「!!」