• テキストサイズ

ささめごと -ながい夢- 【NARUTO】

第59章 敵の罠






キリ「あなたたち大丈夫? ……っ!」


三人の顔色を窺った時、意識が遠のきかけて、キリは瞬時にシカマルの腕を掴み、後退する。


シカ「キリ?」

キリの対応も時すでに遅く、じわりじわりと幻術に呑まれていく。


シカ「!」


大丈夫かとキリの顔を覗き込んだシカマルは、次の瞬間、ぼんやりと虚ろな瞳に変わる。


キリ「っ、シカクさん!!!」

途切れそうな意識の中で、キリは最後の力を振り絞って叫んだ。


キリ(くっ、もう……)

辺りに、敵の気配は少しも感じられなかった。


だからこそ、シカクはこの場をキリに預けて、これから進む山岳の経路確認に出ていた。

シカクは、自分を信じて任せてくれたのに、自分の不甲斐なさに腹が立つ。


キリ(うち、は、サスケは……)


彼ならば、と望みをかけるが、サスケも周囲同様にその場に佇んでいるのが見えて、キリは顔を歪ませた。


もしもこれが、敵の奇襲などであったのなら、キリもサスケも、まだ対処のしようがあっただろう。


でもそれは並々ならぬ努力の成果であり、度重なる訓練の結果である。

アカデミーや、樹の里で少しは学んではいたが、実戦でその対処をするには、あまりにも幻術に対しての経験値が浅過ぎた。


キリ(……っ)

一度、激しく視界が歪んで、ついにキリの精神も何者かによって乗っ取られる。



/ 1018ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp