第58章 任務の裏側
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そんな昨晩の出来事。
任務に至るまでの裏側を思い出したシカマルは、言葉を詰まらせる。
こうして、ナルトは力技というか、粘り勝ちというのか。無理やり三班から奪う形で、Bランク任務をもぎ取ったわけであるが。
シカ(……俺も、人のこと言えねぇよな)
シカマルだって、交換条件で無理やり任務への同行を許可してもらったため、何とも言いがたい。
今いるメンバーで始めから、己の実力で任務についていたのは、キリだけだ。
キリ「昨日……何か?」
シカ「いや、やっぱ何でもねぇ」
キリ「……? なに?」
一度話題にしてしまったため、変に気になる終わり方になってしまった。
だが、ナルトのことを話せば、芋づる式にシカマルが任務に就くまでの経緯も露顕してしまうだろう。
シカ「あー、本来は他の奴らがこの任務に就くはずだったのが、急遽ナルト達の班が就く事になったからな。いつも以上に頑張れよっつーこった」
シカ(俺も、な)
これで、もし足手まといになる事があれば、手助けをしてくれたシカクにも申し訳ないことこの上ない。
それに、良い成果の一つでも土産話にしなくては、綱手にも会わす顔がない。
この任務は、シカマルにとっても大事な任務になる。
今からを共にする仲間は、突出した能力を持つキリと、そんなキリを部下に持つシカク。
求められる働きは、決して低くないだろう。
シカマルの能力に合わせてもらって、二人の足を引っ張るなんてことになれば、目も当てられない。
シカ(っし、集中していかねぇとな)