第14章 まきぞえ
ナルト「ざまぁみろおっさん!キリ!もっと言ってやれってばよ!」
サクラ「ちょっナルト!このバカ!やめなさい!」
雷影に舌を出して、中指を立てるナルトをサクラは慌てて押さえ込んだ。
雷影はナルトに見向きもせず、キリへと一歩足を踏み出して、シカクも戦闘体制に入る。
雷影「はっ、おもしろい。小娘、お前に免じてここは引いてやる」
ふと体の力を抜いた雷影は、口角を上げてキリを見定める。
雷影「木ノ葉にも骨のあるやつはいるらしい。見たところ下忍か?小娘、名はなんという」
キリ「……………樹の里から来た。……キリ」
キリの返答はずいぶん間があってからだった。
雷影「樹の里?木ノ葉ではないのか。木ノ葉なんぞには勿体無い。どうだ小娘、雲隠れの里に来ないか」
キリ「!!」
雷影「こんな甘ったれた奴らといても、強くはなれん。雲隠れに来い」
キリ(雲隠れに……私が?)
木ノ葉隠れの里へ来て、約半年になる。
シカクをはじめ、キリに対して友好的な者もゼロではない。けれど、里の上層部や里内には反対をしている者が多いことをキリは知っている。
キリ(木ノ葉にいるよりも、雲隠れにいた方がいいのかもしれない)
三代目、シカク、キリを庇護する者たちに迷惑をかけていることも、よくわかっていた。
キリの揺れる視線を遮るように、シカクは二人の間に入る。
シカク「キリは俺の大事な生徒だ。勝手に連れてかれちゃ困ります」