第14章 まきぞえ
ナルト「いい加減にしろってばよおっさん!間違えて攻撃してきたくせに開き直ってんじゃねー!」
カカシ「ナルト!やめろ!相手が雷影では分が悪い」
頭に血が上っているナルトは、今にも飛びかかっていく勢いだ。カカシがナルトの肩を押さえると、雷影は嘲笑を浮かべた。
雷影「何も出来ずに狼狽えているだけだったガキが、口だけは一人前だな。お前よりも小娘、お前の方がよっぽど良い反応をしている」
雷影は「だが、少し遅かったな」と言って、キリの半分だけ抜かれた刀に目を向ける。
キリ「っ…」
止血のためにシカクから傷口を押さえられて、キリは痛みに顔をしかめる。
シカ「キリ!」
雷影「木ノ葉の忍も落ちたものだな。しょせんは裏でこそこそするしかない小賢しい連中…っ!!」
雷影「!?」
突如、雷影の横頬に衝撃が走る。
雷影「小娘…きさま何のつもりだ」
雷影の頬に蹴りを入れたキリは、宙でくるりと身を翻して着地する。
キリ「黙って去るのなら、何も言うつもりはありませんでしたが…」
衝撃が傷口に容赦なく走り、キリは肩を押さえる。
キリ「仮にも誤って仕掛けておいて、口煩く言える立場ではないでしょう」
雷影「きさま、誰に向かって仕掛けたのかわかっているのか」
キリ「……自里から離れた忍は、いつ他里の忍に襲撃されても文句を言えないのでしょう。それとも…油断していたとでも、言うおつもりで?」
途端に、場の空気が凍り付いた。
シカク「キリ!!」
雷影とキリの間に、シカクが入る。