第58章 任務の裏側
シカ「!」
すると、スッと近付いてきたシカクが、小さく耳打ちする。
シカク「シカマル。いつから家に、ツノの蓄えは無くなったんだ?」
シカ「うっ」
ぼそっと呟かれたそれに、シカマルはぎくりと身体を固まらせた。
シカ(やっぱりバレてたか……)
調合の時はシカマルが薬剤庫から材料を取ってきたので、バレないかと思ったが、やはりシカクには見抜かれていたらしい。
それどころか、シカマルが先ほど持っていた分の薬は、わざわざ製薬せずとも家に完成品がいくつかあるものだが、それもバレているのだろうか。
ちらりと目だけでシカクを見れば、にやりと口角が上げられる。
シカ(………)
どうやら、全て綺麗にバレているようだ。
シカク「次は助けてやんねぇぞ」
シカ「おう」
シカ(……やっぱ親父にゃ敵わねぇな)
シカマルが追いつきたいもう一人の人物。
どうやら、こちらの背中もまだまだシカマルには遠いらしい。
…………………………
綱手「よし、数も間違いはない。ご苦労だった」
「雷影からの任務もよろしく頼む」という綱手に快諾し、シカマル達が火影室から出ようとしたその時だった。
ナルト「ちょぉぉぉーっと待った!! その任務!!!」
バァァァンと激しくドアが開かれたのと同時に、ナルトの声が響き渡る。
カカシ「はぁ……」
押さえつけて、どうにか連れ帰ろうと奮闘していたカカシの腕を振りほどいて、ナルトはドカドカと入室を遂げる。