第58章 任務の裏側
渋い顔でナルトを見つめるカカシ班に、シカマルはくるりとナルトに向き直る。
シカ「おい、ナルト」
ナルト「おっしゃー! Bランク任務!! やってやるってばよ!!」
意気揚々と足を踏み出そうとしたナルトの脳天に、シカマルのチョップが落とされた。
シカ「聞け」
ナルト「だっ!? シカマル、何すんだってばよ!!」
頭をさすりながら恨みがましい視線を向けてくるナルトに、シカマルは眉間に皺を寄せて答える。
シカ「いいか。てめぇ絶対一人で突っ走るんじゃねぇぞ、そんな事してみろ。任務中だろうがぶっ飛ばすかんな」
今までの自分の行いに心当たりがあり過ぎるのか、視線を泳がせるナルトに、シカマルが追撃を送る。
シカ「もし守れなかったら……」
ナルト「!!」
たっぷりと余韻を残すシカマルに、ナルトはごくりと生唾を飲み込む。
ナルト「ま、守れなかったら……?」
シカ「その瞬間、問答無用で任務から外す」
ナルト「なっ、いくらなんでもそりゃ酷過ぎるってばよ!! なぁ、カカシ先生!」
カカシ「あー、いいね。それ。採用で」
うんうんと頷くカカシに、ナルトは嘘だろうと目を見開いて、サクラに助けを求める。
ナルト「サクラちゃぁん」
サクラ「私も大賛成よ」
ナルト「サ、サスケ……?」
サスケ「ふん、せいぜい外されないように気をつけるんだな」
ナルト「み、みんなひでぇってばよ……! キリ! キリはそんな事言わねぇよな!? な!?」
キリ「!」
突然話を振られたキリは、チラリ、チラリと視線を動かした。
シカ「キリ、甘やかすな」
シカク「悪くねぇ案だな」
視線の先で得た回答に、キリは再びナルトに目を向ける。
キリ「頑張って」
ナルト「~~~っ、わ、分かったってばよ……」
肝に銘じろと、シカマルから釘を刺されて、それにナルトも力無く頷き返す。