第14章 まきぞえ
即座にシカクは影縛りの術を解いて、近くにいたナルトとサクラを庇い、カカシはサスケを抱えて距離をとった。
抜け忍「っ ぐぁっ…」
斬撃が当たり、どさりと倒れ込んだ抜け忍二人から、おびただしい量の血が溢れた。
ばっと後ろを振り向いたシカクの目に、キリが刀の柄を握り、シカマルとヒナタの前で血を流しながら膝をつく姿が見えた。
シカク「キリ!!」
キリ「っ、かはっ」
シカ「おい!キリ!大丈夫か!!」
ヒナタ「キリちゃん!」
口から血を吐きだしたキリの体をシカマルが支える。
カカシ(雷影……あなたがなぜこんなところに…)
カカシ「急に仕掛けてくるなんて、どういうおつもりですか」
雷影「それはこっちのセリフだ。木ノ葉の忍がこそこそと何をしていた」
絶命した抜け忍を見て、慈悲のひとつも浮かべない雷影は、肩を鳴らしながら姿を現した。
雷影「そいつらは機密情報を盗んで里を抜け出した。そんな連中を雷影直々に相手をしてやろうと思えば、木ノ葉と隠密をはかっていたんでな。もろとも殺そうとしたまで」
シカク「私たちは別の任務を終えて、木ノ葉へ帰還するところを襲撃されただけです。あなた達の抜け忍とは何の関係もない」
雷影「はっ、裏工作を好む木ノ葉の連中だ。そんなことは口ではなんとでも言えよう」
カカシ「いつの話を……それも昔、一部の過激派が行ったこと。木ノ葉の総意ではありません」
雷影「お前たちがそうでないと信用など出来るか。それに、里外へ出た忍が、他里の忍に襲われたところで文句も言えんだろう。任務が終わって油断していたとでも言うつもりか。突然の襲撃に耐えられぬ程度ならば死ね」
キリ「っ……」
シカク「キリ、傷を見せろ」
キリの体の至るところから血は流れているが、中でも、肩から腹にかけて一際どくどくと血が溢れ出していた。
雷影「ふん、見るところお前達二人がこのガキ共を率いていたんだろう。この対応では、木ノ葉の忍も実力が知れる」