第55章 カカシ相談室
シカク「そりゃあな。前に飲み屋でも話しただろうが」
ああ。以前、飲みに行った時。アスマとシカクとカカシの三人で、散々シカマルをツマミに語り合ったものだ。
あれは実に楽しい夜だった。
カカシ「そう、それでですね。その、シカクさんはシカマルの事をいつもどうやって応援?と言いますか、サポートをしてるんですか?」
今回、キリとシカマルの手助けをしたかったのに、それは派手に失敗して終わった。
正直、自分でも何を間違えてしまったのかがわからないため、一番そばにいるシカクに聞いてしまおうと思い立ったのだ。
すると、シカクは面倒くさそうな表情で、眉間に皺を増やした。
何故だろう。
キリにはあんなにも優しいのに、みんな自分には厳しい。
シカク「あー? んなもんしねぇよ」
カカシ「えっ?」
次回に活かそう。そしてあわよくば、しでかしてしまった昨晩の対処法をご教授願いたいと思っていたため、シカクからきた返事に、間の抜けた返答をしてしまった。
シカク「するにしても、キリと修業に行く時にシカマルが二階にいりゃ、たまに声かけてやるぐらいだな」
カカシ「……それだけですか?」
その声かけも、キリとシカマルでは修業内容に差があるから毎回ではないと、告げられて、カカシはショックを受ける。
さぞかし、シカクとヨシノから手厚いサポートを受けているのだと思っていた。
カカシから一体何故、という視線を向けられていたのに気付いて、シカクは小さく息をついて答える。
シカク「あのな、大人がガキの色恋に首突っ込んでどうすんだよ。あいつらにはあいつらの道がある。俺がこうなって欲しいからって、手ぇ出しても、ろくな事にならねーよ」