第13章 ハイタッチ
一団の敷地を出たところで、そわそわしていた いのが両手を上げる。
いの「いやったー!きれーに作戦通りだったわね!」
「任務成功よー」といのはシカマルとチョウジにハイタッチをしていく。
いのがここまで喜ぶのも理由があった。
今日はシカマルたち第10班はアスマ無しでの初任務であり、それもまた負傷の危険性があるCランク任務という事に、いのだけでなく、シカマル、チョウジもそれぞれが不安を抱えていた。
無事に終えた事の安心感、そしてアスマを抜いて担当上忍がいない状態でも任務を遂行出来た事はシカマル自身も嬉しく思っていた。
シカ「ん」
シカマルはキリに両手を上げる。
それに対して、少し目を丸くしたキリに、シカマルはさらに両手を突き出した。
シカ「ほら。任務成功」
固まっていたキリは、ちらっとチョウジやいのに戸惑いの視線を送る。
手を上げてくれないキリに、もう一押し。
シカ「早くしろよ。このまま戻したら俺が可哀想な奴じゃねーか」
ずいっと両手を出して言えば、かなり困惑した様子のキリも両手を上げて、ぎこちなく、本当にぎこちなくシカマルの手と合わさった。
一体どうなるのだと、状況を見守っていた二人もそれを見て、ぱっと表情を明るくした。
いの「私にも私にもー」
そう言って、笑顔で両手を向けるいのにキリは戸惑いながらも手を合わせる。いのは、うふふーと笑ってぽんぽんと何度もキリの手を叩いていた。
チョウ「僕も!」
最後にチョウジとポンっと手を合わせれば、キリは何とも言えないような表情をしていた。
いの「キリ凄いじゃない!あんた本当に強いのねー」
チョウ「うん、凄いよ!あの虎かなり力強くて、キリが土遁の術で足元固めてくれて助かった!」
シカ(全員が無傷。疲れちゃいるが、チョウジもあの状態からだと怪我の危険はほとんどねぇ)
しかし、果たして自分たち三人だけでこの任務は無事に終えられただろうか。