第51章 心違い
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シカマルがアスマから用件を聞き終えた頃、待機所のドアが勢いよく開かれた。
シカ「!」
バンッと派手な音を立てて、入室したいのは、シカマルを視界に捉え、ドカドカと目前まで足を進めた。
シカ「!?」
すると、突然後ろ頭に平手打ちを食らったシカマルは頭をさすりながら、いのを睨みつける。
シカ「いっ……てぇな!! いきなりなんなんだよ!?」
いの「この馬鹿!! あんたが私にまで優しくするからややこしくなんのよ!!」
シカ「はぁ!?」
ふんっとそのまま踵を返していくいのに、シカマルの頭上には疑問符が飛び交った。
シカ「……チョウジ、俺は今なににキレられたんだ?」
何故、急にいのがあんなにも怒っているのかもわからないが、それよりも発言内容が理解出来ない。
自分に優しくないと怒るのならばまだしも、優しくしたから怒られるなんて、いささか理不尽過ぎやしないだろうか。
チョウ「うーん……シカマルは悪くないけど、シカマルが悪い」
シカ「は?」
チョウ「あ、キリなら修練場にいるから、用事が終わったら行くといいよ」
「じゃあ」と待機所を後にしたチョウジの後ろ姿を眺めるシカマルの謎は、深まるばかりだった。
シカ「……なんだってんだよ」
ちらりと自らの師を見上げてみるが、当然その答えが得られるわけもなく。
アスマ「俺を見るな。わかるわけねぇだろうが」