第51章 心違い
キリも自分の一番好きなものを見つければいいと言って、チョウジは近くを通った店員を呼び止める。
チョウ「すいませーん、みたらし団子5人前と三色団子5人前。あんみつ3人前ときな粉餅が……」
いの「私はあんみつ1つ!」
チョウジの止まらない注文に、キリはポカンと呆気にとられる。
キリ「え……と、すごく頼むのね」
そんなにたくさん食べ切れるのかと聞けば、いのはけらけらと笑った。
いの「大丈夫大丈夫。チョウジがいる時は残る心配なんて要らないわよー」
そうして、次々と机から溢れそうな程に運ばれてくる甘味たちに、チョウジはいただきますと手を合わせた。
チョウ「キリも好きに食べていいからね」
いの「キリ、早くしないとチョウジに全部食べられるわよ」
え、と思った時には、すでに二本目の団子に手を伸ばしているチョウジ。
いの「ほら、早く」
そう言って、みたらし団子を一本手渡してくれたいのと、分けてくれたチョウジ。
礼を言って、ぱくりと口に含むと、口いっぱいに広がるトロリとしたみたらし餡に何とも言えぬ幸福感を得る。
キリ「!!」
いの.チョウ「どう?」
キリ「美味しい」
もぐもぐと食べ進めるキリに、いの達は満足気な笑顔を見せた。
チョウ「だから言ったでしょ。人生損してるって」
いの「ふふ、他のも美味しいわよ」
ある程度食べ進めて、しばらく経った頃。
今はチョウジだけがモリモリと手を止めることなく食べ続けている。
そんなチョウジの食べっぷりに感心していれば、いのが口を開いた。
いの「そういえば、最近あんた達よく一緒にいるわよね」
チョウ「あ、僕もそれ思ってた」
キリ「?」
いの「シカマルとあんたよ」
キリ「!……そう、かしら」