第51章 心違い
第51話 心違い
朝食後に、森で小一時間ほど子鹿と戯れてきたキリとシカマルは、里内で馴染みある顔ぶれと遭遇する。
シカ.キリ「!」
いの「シカマルー! キリー!」
「おーい」と大きく手を振っているいのの隣に居たチョウジも、ポテチを片手にキリ達にひらひらと手を振った。
シカ「おう」
キリ「久しぶりね」
いの「ほんと久しぶりねー、元気そうじゃない」
キリ「ええ、あなたも」
きゃっきゃと嬉しそうにはしゃぐいのに、キリが笑顔と共に返答する。
いのだけではなく、キリもまたどこか嬉しそうに見えるのは、きっと間違いではないだろう。
キリが里に馴染んでいく姿は、見ていて嬉しくなる。
そんなキリの姿を見守っていたシカマルは、チョウジからトントンと肩を叩かれる。
シカ「なんだ?」
チョウ「さっきアスマ先生がシカマルのこと呼んでたよ」
いの「あっそうそう、何かあんたに用があるみたいで顔出すようにって」
シカ「げっ、めんどくせー」
チョウ「アスマ先生ならまだ待機所にいると思うよ」
いの「ほら、早く行って来なさいよ」
二人にせっつかれて、ぽりぽりと頭をかいたシカマルは、一度大きくため息をついた。
その視線の先にあるのは、キリの姿。
シカ(……せっかくキリと出掛けてたっつーのに)
アスマももう少し空気を読んでくれないものか。