第13章 ハイタッチ
キリも刀を抜いて、キンキンと数度打ち合えば、なるほど男は中々の剣の腕で、天才と呼ばれる所以がわかった。
シカマル、いの。二人が控える茂みまでは、戦いで押し合って連れて行こうと思っていたが、それでは時間がかかりそうである。
即座に作戦を変更し、向こうの剣をかわして、キリは思い切り刀を振りかぶる。
すでに男が受ける体制になっているのも構わず刀を振り抜けば、男は体制を崩した。
その隙にキリは印を結び、肺の空気にチャクラを練り込む。
キリ「風遁・大突破」
口から突風を吹き出せば、男は体ごと吹き飛んで行った。
シカ(おいおい…連れてくってやり方あんだろーよ)
予想の斜め上の方法で、男はザサァッとシカマルの方へやってきた。
てっきりキリは、戦いの最中にこちらへ誘い込む戦法を取ると思っていたが。
しかし、そもそも最初の立ち位置からシカマル、間に男、向こうにキリだった。はなから誘い込むのではなく、押し込むつもりでいたらしい。
ごろごろと転がる男に苦笑いを浮かべて、シカマルが影真似の術をかけると、準備万端で待機していた いのもすぐさま心転身の術を発動させる。
どさりと倒れてくるいのを受け止めれば、反してむくりと起き上がった男はOKとサインを向けてくる。
シカ「よし、このままいのの術が解けない内に一団の所へ戻るぞ」