第13章 ハイタッチ
キリ「何か意見はある?」
シカマルは考えを巡らせる。確かに、シカマルがあの二人を同時にとらえることはリスクもあった。せめて問題が人数か距離、どちらかだけであったなら。
しかし、今挙げられた策はキリ一人の負担、そして危険があまりにも大きい。
いの「でも、あんた大丈夫なの?二人の相手するのほとんど一人じゃない」
同じことを考えていた いのが言えば、キリは大丈夫だと頷いた。
シカ「一人だと影真似が失敗する率はほとんどねぇ。それでいくぞ。もし無理そうだったら俺もすぐに援護に出る」
だから無茶はするなと言えば、キリはもう一度頷いて、依頼者二人の方へと近づいていく。
キリから目標まで、残り数メートル。
射程距離に入り、キリは後ろをついてきていたチョウジに待機の合図を送る。
いまだに戯れていた二人のもとへ、キリは迷うことなく先陣を切った。
まずは虎が気付いて、体制を整えようとするが、すでにキリは土遁の印を組み終えている。
両手を地につけて術を放てば、地面から盛り上がってきた土が虎の足を捕らえた。
続けて、男の方へも土遁の術を向けるが、男は盛り上がる土をひらりとかわして、腰に差していた剣を手に取る。
キリ(あわよくば二人とも捕縛したかったけど……)
一般人とは思えない反応速度だ。
キリが男の方へと駆け寄る時、視界の端で「倍化の術!」とチョウジが虎を押さえ込んだところが見えた。
キリ(こっちは問題ない)
残るは、男一人。欲張らず、当初の予定通りに進める。