• テキストサイズ

ささめごと -ながい夢- 【NARUTO】

第49章 父親





ヒアシ「〈日向〉に、何よりも囚われていたのは私だったようだ……。ヒナタ、本当にすまなかった。当主としてではなく、父親として、心から謝罪する。……家に、戻ってきてはくれまいか」



ヒナタ「っ……!!」

それは、ずっと、ずっと聞きたかった父の言葉だった。


ぎゅっと胸が締めつけられるようなこの痛みは、これまで感じでいた冷たい痛みとはまるで異なるもので。

じわりとヒナタの目に涙がたまる。


ヒアシ「ヒナタ……お前を、迎えに来た」

ぽたりと落ちた涙と、走り出しそうな自らの足に、ヒナタはハッと視線を移した。


ヒナタ「あ……っ」


そうして視界に捉えたのは、本家以外にも居場所を与えてくれたキリとネジの姿。

キリとネジは互いに目を合わせると、ふと微笑みをたずさえて、ヒナタに視線を戻した。


ネジ「ヒナタ様の思うままに」

その隣でこくりと頷いたキリに、また、ヒナタの目から雫が落ちる。


どうして、自分にそこまで優しくしてくれるのか。

どうして、自分をそこまで甘やかしてしまうのか。


まだ弱さの残る自分は、その優しさについ甘えてしまう。


ヒナタ「……っ」


だっと走り出したヒナタは、ヒアシの胸もとに飛び込むと、ヒアシはそれを抱きとめるようにして包み込んだ。


ヒナタ「父様……っ! 父様」

ヒアシ「ヒナタ、すまなかったな。今まで辛い思いをさせた」


ぶんぶんと首を振って、ヒアシにしがみつくヒナタを見つめる瞳には、愛おしさや優しさが含まれているような気がした。


/ 1018ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp