第49章 父親
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それから、三日後。
第11班、シカク班の修業に、ヒナタも参加。
その修業にネジが自主参加をして、そんな噂を聞きつけたシカマルも飛び入りで参加して。
そんな連鎖を繰り広げていれば、シカクはくつくつと笑い声をもらした。
シカク「いやぁ、姫さん方は大変だな」
キリ.ヒナタ「……??」
シカマルも、ネジが気掛かりにしているのはヒナタなのだから、もう少し余裕を持ってもいいだろうに。
そんな事を思いながら、シカクがいがみ合うシカマルとネジを見つめていると、そこにある人物が現れた。
シカク(おっ、ようやくか)
キリ「!!」
現れたヒアシの姿を見て、その反応はそれぞれで異なった。
少し空気が張り詰めたキリ。
緊張と戸惑いを見せるヒナタ、また、同じく少しの緊張と、堅くなったネジ。
そして、この場にいる者とは少し下がった位置から、成り行きを見守る姿勢をとるシカマルとシカク。
ヒナタ「と…父様」
ヒアシ.キリ「………」
しんと静まった場の沈黙を破ったのは、ネジだった。
ネジ「ヒアシ様、今日は何故このような場所に?」
木ノ葉の修練場などを使用せずとも、宗家の敷地内には充分な鍛錬を行える場所がある。
スッと守るように一歩ヒナタの前に出て、問いかけたネジに、ヒアシは珍しく歯切れ悪く言葉を落とした。
ヒアシ「ヒナタ……お前に話があって、ここへ来た」
ヒナタ「っ!!」
サッサッとヒナタのもとへ足を進めるヒアシに、ヒナタは動揺しつつも背筋を伸ばす。
ヒナタ「!!!」
そんなヒナタの前に、キリとネジが壁になるように立ち塞がる。
キリ.ネジ(………)