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ささめごと -ながい夢- 【NARUTO】

第48章 殴り込み






………………………




ヒナタは今から少し前。

ヒアシとハナビとの稽古で、家を飛び出し、その道中でキリに出会った。


キリに弱音を吐いて、随分と気持ちが楽になった気がした。

そんな中で「用がある」とどこかへ行ったキリ。


あまりにも突然だったので、少し不思議に思いながらも、キリの言うようにしばらく気持ちが落ち着くまでここにいようと、ヒナタはその場に留まっていた。

すると、次第に冷静になっていく頭。

そこで初めて、ヒナタはキリの行動に違和感を覚えた。


ヒナタ(キリちゃん、さっき予定はないって……)

確か、キリはそう言っていたはずだ。


顔を上げてキリの去って行った方向を見れば、そう近いわけではないが、その先には日向宗家……自らの家がある方角だった。


いやしかし。まさかそんな。

そう思って、自分の頭に浮かんできたある可能性を否定する。


本当は予定があったが、自分に付き合ってくれたのだろうと、一度納得しかけた。しかし、果たしてあのキリが。

この状態でヒナタを置いて、キリ本人の用を済ませに行くなんて事があるのだろうか。


答えは、否だろう。

そう考えると、先程の可能性が、 急激に有力さを増した。


慌てて、ヒナタが日向家へと急ぐと、何やらざわついている家人たちの空気を感じ、ヒナタは騒ぎの中心へと足を走らせた。


そして、道場の前に来た時、もう聞き慣れている……それでも、聞きたくなかった言葉が耳に入る。


ヒアシ「あやつは、日向の出来損ないだ」


その言葉に、襖に手をかけていたヒナタの体がピタリと停止する。


ヒアシ「後に生まれたハナビにも劣り、日向を継ぐ才を持っていない。あやつは……この日向には要らぬ存在」


心臓が締め付けられたように苦しくてたまらなくて、ひゅっと息が詰まった。

そして、すぐに家人たちのヒナタを笑う声が聞こえて、急に周りの空気が薄くなってしまったかのように、息苦しく感じる。


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