第13章 ハイタッチ
サーカスの一員、猛獣と猛獣使いの捕獲。
サーカス一団からの依頼が、第10班に言い渡された。任務ランクはC。
しかし現在、担当上忍であるシカク、アスマたちが任務で里を離れていた。
人員補填にはキリがあてがわれ、第10班と共に任務につくことになったのである。
担当上忍不在での任務はキリ、そしてシカマルたち第10班も初の試みであった。
本日の任務は、サーカスきっての天才でありエースである猛獣使いの男。
幼い頃から才能を存分に発揮して、虎を自由自在に操る姿はサーカス大注目のショーとなっているらしい。
そんな彼が三十路を目前にして、座長である父と大喧嘩をし、サーカスを飛び出していったそうだ。
いの「いい歳した大人が家出なんてねー」
チョウ「うん。せめて一人だったら良かったんだけどね」
彼はあろうことか、虎を連れて家を出た。
ややこじらせた匂いのする猛獣使いを、これからキリ、奈良シカマル、秋道チョウジ、山中いのといった変則的なメンバーで捕獲しなくてはならない。
里に依頼する前、サーカスの一団が彼の捜索に行き、彼を見つけた時。
ナイフ投げや剣術にも長けていた一団きってのエースが、それはもう全力で向かってきたため、すごすごと帰るしかなかったらしい。
おまけに虎の援護射撃もあるのだ。
結果、一般人ではもうどうにもならないと、負傷の危険性もあるCランク任務として要請を出したらしい。
そしてキリ達は今、その男を発見し、捕獲に至る方法を思案しているところであった。
サーカスからそう遠くない場所で、男と虎がたわむれているのを茂みから覗き見る。
いの「うわーおっきー」
シカ「はたから見てたら襲われてるようにしか見えねーな」