第46章 天才と天才
キリ「せっかくの素敵な繋がりなのに……本人の関係ないところで歪んでしまうのは悲しいわ」
そんなキリの言葉に、ネジは昔の記憶が蘇る。
あの頃は確かに、ネジはヒナタを愛おしくすら思っていた。ただただ嬉しくてたまらなかったのだ。ヒナタという妹のような存在が。
ネジ(そういえば……)
初の顔合わせを楽しみにし過ぎて、何日も前から指折りカウントダウンをしていたことや。
ついに、その前日。
心待ちにしていたことで、前日は眠ることが出来ずに、夜中にはもう会う準備が完了していたことを思い出す。
ネジ(……そんなことも、あったな)
ヒナタとネジは幼少期、身分こそ違えど、互いに良い関係だったと記憶している。
それが、いつから……こんなにも歪んでしまっていたのだろうか。
ネジ(宗家を許すわけではない……が、ヒナタ様は……)
幼少期に感じた、ヒナタへの思いは本当だった。
ネジ「約束は、守ろう」
キリ.ガイ「!!」
ふいっと視線を逸らしながら言ったネジのその言葉に、キリとガイは反応を示した。
キリ「私の約束は、その考えを改めて、誠心誠意二人に謝罪することよ」
口先だけの謝罪なら、何の意味もないのだとネジの様子を伺えば、ネジから小さな小さな返答があった。
ネジ「……約束は守ると言っているだろう」
ガイ「ネ、ネジ…!!! お前って奴は……!!」
どぱっと目から涙を流しながら、ガイはネジに熱い抱擁を交わしにいくと、それはネジの美しい体さばきにサラリと躱される。