第46章 天才と天才
第46話 天才と天才
熱い戦いを終えたキリとリーは、体に溜まっているはずの疲労も後回しにして、反省会を行なっていた。
リー「キリさん。君なら、ネジと戦いになっても大丈夫でしょう」
キリ「!」
シカ「そのネジって奴は、そんなに危ねぇ奴なのか?」
この間、シカマルが遭遇した時は、やたらと鼻につく男だとは思ったが、そこまで言われるほどの実力があるのか。
リー「彼も悪い人ではありません。しかし、少々複雑な育ちをしているようで、宗家と分家のことが絡むと制御が効かない事があります」
そう言ってから、リーはすぐに首を振る。
リー「いえ、効かないのではなく〈制御をしない〉という方が正しいですね。キリさん、君はその本家であるヒナタさんと懇意な関係であるとお見受けしたので、僕が間に入らせて頂きました」
それに……と、リーはぎゅっと握りこぶしをつくった。
リー「僕は……ネジに一度も勝った事がありません。僕に負けるようなら、ネジに挑むのもやめた方がいい」
「やる前から結果が見えていますからね」と、言葉を落としたリーは、さらにこぶしを握る力を強めた。
シカ(一度もって……一つ歳上になるだけでそんな奴らばっかりになんのかよ……!?)
リー「ですが!! 僕だっていつまでも負けたままでいるつもりはありません! 落ちこぼれが、努力で天才に勝る事を証明してみせます!!」
キリ「私も彼に負けるつもりはないわ」
そう言えば、良い戦いを期待していると、エールを送ってくれたリーにキリはこくりと頷いた。