第45章 獣的本能を持つ奴ら
キリ「ありがとう。でも、今回は私が有利だったわ」
リー「有利?」
キリ「私は、もうあなたの手の内を知っていたから。でも、あなたは刀を持った私を知らなかった」
リーの戦闘方法を知っていたから、早々に決着をつけることを選んだ。
今回の戦いは平等ではない。
キリ「あなたが開門をしていたら、また違ったはず」
リー「ですが、それをする間もなくやられてしまうのでは、意味がありませんね」
困ったように頭を悩ませたリーは、ハッと何かを閃いたように、顔を上げた。
リー「いつ戦いになってもいいように、常に開門状態にしておくというのはどうでしょう!!」
キリ「……それ、あなた死ぬんじゃない?」
以前、リーと戦った時。
開門をしてからは、そのスピードについていくのが困難になり、そして敗北するに至ったわけだが。
戦闘後、リーもかなり息が上がり疲労していたのが見て取れた。
短時間であれだ。
あれだけの能力向上には、それ相応の代償があるということだろう。
間違っても、常時発動していていいような術ではないはずだ。
キリ「仮にそれが可能なら、脅威的な力ではあるけど……」
リー「む、確かに今のままでは無理かもしれませんが、いつかはそれが出来るように特訓します!!」
キリ「どうやって? ……これは特訓でどうにかなるものなの?」
リー「根性でなんとかします!!」