第45章 獣的本能を持つ奴ら
第45話 獣的本能を持つ奴ら
シカマルがアスマ班での任務を終えて、帰路を歩いていた時。
馴染みある名前が耳に入ってきたことで立ち止まる。
リー「大体君は少し横柄過ぎます! この間だって~~~キリさんの~、せっかく~~!」
なにやら憤慨している様子で話しているその内容は、ここからでは全て聞き取る事が出来なかった。
そのため、シカマルはくるりと方向転換をして声の方へと近付いて行く。
ネジ「弱い者に弱いと言っただけだ。何が悪い」
リー「ネジ! 僕の事を悪く言うのは構いません! ですが、あんなにも熱い戦いを見せてくれたキリさんに、そのような発言は許さないと言ったはずです!」
ネジ「相変わらず暑苦しい奴だ」
「そんな根性論に何の意味がある」と、ネジは冷えた声で言い捨てる。
シカ「キリとやり合ったってのはあんたらの事みてーだな」
リー.ネジ「!」
シカ(会話の内容からして、キリと戦った〈そういう人じゃない〉のはこっちで……)
確かに卑怯などとは、無縁の人間に見える。
そして、ちらりとゲジ眉おかっぱ頭に視線を向けた瞬間に感じたこの既視感。
以前、音隠れの敵を捕縛せよとの緊急任務で援護に来てくれた、カカシの永遠のライバルだと謳うマイト•ガイを激しく思い出させた。
たった数時間いや、もしかするとそんなにも滞在していなかったかもしれないガイの存在感とインパクト。
シカ(………)
脳内に強烈に刷り込まれていたそれを押しのけるように、シカマルは小さく頭を振った。